いつかの笑い声が聞こえた


秘密基地を、覚えてる?
もうぼくらのものじゃなくなっちゃうんだってさ。

赤いロープウェイは今日も風に揺られてさびついた音を立てていたよ。
小さな恋の終着は、その先のたんぽぽの山。
離れ離れになって過ぎていった時間が塗りたくられた今も、毎年律儀に黄色い花を咲かせるらしい。

いくつもの春が、終わりから目を背けて通りすぎていったね。
巻き戻しのできない季節が僕らを大人にして、ずいぶん遠くまで来たみたいだ。
だってほら、いつからかあの頃の声は聞こえなくなって、そのことにすら、今日まで気づかなかったじゃないか。